日本食と日本人を考える
「日本食は体にいい」とよく言われます。
けれど、それは単なるイメージの話ではありません。
現代では腸の不調、アレルギー、肌荒れ、慢性的な疲れなどが増え、自分に合う食事とは何かを見直す人も多くなってきました。
その中で改めて考えたいのが、日本人にはなぜ日本食がいいのか?という、私たちの身体に刻まれた「歴史」の部分です。
日本人が日本食で健康になれる理由
日本人が日本食で健康を保てるのは、その土地で採れるものを食べて生き延びられた数々の人達の子孫が今の私たちだから。
つまり何を食べれば生きられるのか、生きられないのか。
その自然淘汰の積み重ねで、今の体質があるのです。
これは何百年、何千年という時間の中で起きてきたことです。
イヌイットの例
この話がとてもよく分かるのが、イヌイット(エスキモー)の例です。
彼らは生のアザラシ肉を食べます。
細菌や寄生虫への耐性を含め、その環境で生き延びてきた身体が代々受け継がれているからです。
しかし、日本人が同じものを食べたら命に関わります。
日本に「生のアザラシ」を食べてきた歴史は存在しないからです。
同じ論理が日本人にも当てはまります。
日本に住んできた人たちは、米、魚、味噌、野菜、海藻など、その土地で得られるものを食べて暮らしてきました。
そしてそれを食べて生き延びられた人たちの子孫が現代まで残っている。
だからこそ私たち日本人は、これらを無理なく消化でき、身体が自然に受け入れるようになっているのです。
身体が合わせたのではありません。
食べて生き延びた人達だけが残ったのです。
戦後の食生活の急変
ところが戦後、日本人の食生活は一気に変わりました。
● 小麦
● 植物油
● 乳製品
● 過剰な甘味
● 加工食品
これらは日本人の身体にとって歴史が浅い食べ物です。
長い時間をかけて形成された体質と、急激に変わった食事が噛み合わず、腸の炎症やアレルギー、肌荒れ、様々な病気が増えたと考える視点があります。
身体は悪くなく、ただ歴史と違う食べ物が急に押し寄せたのです。
日本食に戻すと何が起きるのか
特別なことをしなくても、日本食に戻すだけで
● 腸が落ち着く
● 肌の調子が安定しやすくなる
● 体が軽くなる
● 疲れにくくなる
● 余計な食欲が減る
● 気分の波が小さくなる
など変化が感じられます。
それは、身体が自分の歴史と一致した食べ方を取り戻しただけ。
決して不思議なことではありません。
日本人が日本食で健康になれるのは、日本という土地で採れるものを食べて生き延びてきた人たちの系統が今の私たちだから。
日本食は特別な健康法でも、努力が必要でもなく、私たちが最も自然に受け入れられる食べ方であるというだけなのです。
身体に歴史が刻まれているのです。








